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頼りにならない男たち(2日目後半) [日々の徒然]

結婚式の途中から、台風が近づいてきて大雨に。
少し小降りになったところを見計らいながらタクシーに便乗して披露宴会場へと向かった。
全員合わせて30名足らずの、アットホームな披露宴で、とても楽しかった。
新郎新婦がぜひ、といってくれたので、せっかくだからとバイオリンを弾いた。
お祝いはこれしか用意していなかったのだけど、おめでとうとありがとう、これからもよろしくね、という気持ちが彼らに届いたのならそれでいい。

披露宴が終わったとき、ちょうど雨が降っていなかったので、ホテルまで徒歩10分ほどの道のりを何人かで歩いて帰ることに。

ところが!!

風がものすごい。ハンパなくすごい。
とうとう、大通りに出たときの暴風で、その場にいた人たち全員がしゃがみこんだ。
本当に怖かった。
長崎にいるときに台風はさんざん経験しているし、台風19号だって経験した。でも、こんな暴風は初めてだった。


ホテルに着いたら、従弟が
「ちゃんと窓はカーテンも閉めたほうがいいよ。風圧でバーンだよ。割れてもカーテンが一応クッションになるからね」
と教えてくれた。
教えてくれたはいいけれど、恐ろしい情報だな。聞いても恐怖が増すばかりだよ!

風はどんどんひどくなり、雨も降って、街路樹の枝がバキバキ折れて飛んでいく。
さっき自分がまともに受けた風の強さを体が覚えていて、怖くてたまらなくなった。
上陸時刻の21時を過ぎると、さらにひどくなる。
建物全体が揺れるほどに、風が吹いた。

怖くて怖くて、思わず父に電話した。
「怖い!窓が割れそう!」
「ベッドを窓から離しなさい」
シングルルームだもん、ベッドを動かしてもあんまり意味がなさそうだよ・・・
「風で飛ばされそうになった」
「そう、それは怖かったね。あ、ごめん、パパちょっと急にトイレに行きたくなった」
お、おとうさん・・・・・(T T)

そのうち窓の外でガランガラン、とすごい音がし始めた。
どうしても気になって窓の脇から覗くと、なんと、裏手のおうちの屋根がまさにバリ、バリバリバリ、と剥がれてホテルに向かって飛んでくるのだ。渦巻く風にあおられて、くるくる舞っている。
ぎゃー、もう神様どうにかして。
と思った矢先に、飛んできたトタンがものっすごい音を立てて窓にぶつかった。ごんっ。

東京の神父様に電話した。
「あのね、台風が来てて」
「はぁ、来てるみたいね」
「本当に吹っ飛ばされそうになったんですよ!」
「そんなもんじゃない?それくらいにはなるよ」
「裏のおうちの屋根が!」
「そんなもんだよ」
そんなもんじゃないよーー!

鹿児島の神父様に電話した。
沖縄にいるんですけど、台風が来てて、ちょー怖いんです!」
「ワクワクするなぁ、早く鹿児島に来ないかな」
「え?」
「増水した川とか見に行かないのー?」
「物とか木とかバンバン飛んでるんですよ」
「ああ、それは気をつけて上手くよけてね」
上手くよけられるかいっつのーーー!

担当のTさんに電話した。
「台風、めっちゃ怖い!」
「なんか、すごそうだね、大丈夫?」
「大丈夫じゃないです」
「そうか、あ、いま友達と合流した。これからオールで踊ってくるから」
徹夜でダンスぅ!?もう帰ってくるなぁーっ。


布団をかぶってちまっこく丸まっていたら、夜中を過ぎた頃に少しずつ風が凪いできて、
わたしはいつの間にか眠っていた。
翌日曜日の朝、ミサに行ったら、教会は全部停電。
マイクもつかない、電灯もつかない、オルガンも無し。地声とアカペラのミサだった。それはそれで、よかった。
そして、朗読された福音書が

「私は、あなたがたをみなしごにはしておかない」

の箇所だった。


それ、昨日言ってよーーー!!!



2日目、おわり。
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